1. はじめに
大学教職員が学生を指導する際、指示がうまく伝わらないと感じることは少なくありません。
特に発達特性や認知処理の問題を抱える学生、または認知的な固さから意固地に見える学生にとって、一般的な指示を受け入れることや実行に移すことが難しい場合があります。
本記事では、指示が通りにくい学生への具体的な対応策について解説します。
2. 背景
指示が通りにくい原因は、学生ごとに異なることを理解することが重要です。
発達特性が影響している場合、指示を受ける際の情報処理が難しいと感じることがあり、指示内容の理解や順序立てが苦手であることが多いです。
一方、人格的に認知の柔軟性が低く、意固地と捉えられる学生は、自己主張の表現や他者からの要求に対する抵抗感が強くなることがあります。

3. 学生のタイプ別に考える対応策
発達特性や認知処理の問題から指示が理解しにくい学生への対応
こうした学生に対しては、視覚的な支援を活用することが有効です。
たとえば、以下のような視覚化が考えられます。
- 指示内容を紙やホワイトボードに書き出す
- 指示内容を図やチェックリストで示す
- 課題遂行に必要な手順をリスト化する
また、口頭で指示を出す際には、短く簡潔に分割することで、情報の負荷を軽減します。
認知的固さから意固地に見える学生への対応
認知的な固さがあり、他者の意見や指示に対して反発的な態度を示す学生に対しては、指示を押し付けず、理由を説明しながら納得してもらう姿勢が重要です。
「なぜこの方法が重要か」
「このステップが全体の中でどのような役割を果たしているか」
を伝えることで、学生が指示の目的を理解しやすくなります。
また、選択肢を提示し、学生自身に選ばせることで、自主性を引き出し、受け入れやすい環境を整えることができます。

「今回の方法は君の考えと少し違うかもしれないけれど、この方法にはこんなメリットがあるんだ。どう思う?」



「いくつかの方法があるけれど、どれから試してみたい?」
4. まとめ:
指示が通りにくい学生に対しては、その背景や個々の特性を理解し、対応方法を工夫することが重要です。
発達特性や認知的固さからくる難しさに配慮し、視覚的な支援や理由説明、選択肢の提示など、柔軟な対応を心がけることで、学生は指示を理解しやすくなります。
教職員が学生の状況に寄り添い、無理のないサポートを提供することが、学生の成長と安心感につながります。