コロナ禍以降、オンラインミーティングは教育現場でも不可欠なツールとなっています。
特に、大学教職員にとっては、学生との距離や時間の制約を超えた支援や対話が可能になる一方で、
対面とは異なる「オンラインミーティングの作法」や対応スキルが求められます。
本記事では、学生に教えたいオンラインミーティングのマナーやスキル、相性の良い取り組みや、オンラインミーティングが苦手な学生への対応策を考えます。
2. オンラインミーティングの利点と注意点
オンラインミーティングは、リモート環境においても円滑なコミュニケーションが取れる便利な手段です。
まずオンラインミーティングのメリットとデメリットについて整理し、どのような場面で有効か、また注意すべき点を解説します。
( オンラインミーティングの特徴)
- 場所を問わず参加できる
どこからでも参加できるため、移動の手間が省けます。遠方の学生も参加しやすく、教育支援が広がります。 - 時間管理がしやすい
開始と終了が明確で、時間を効率的に使えます。特に短いミーティングでは効果的です。 - 記録や資料の共有が容易
録画や画面共有が簡単で、後から内容を確認しやすく、理解を深める助けになります。
- 非言語的なコミュニケーションが伝わりにくい
表情や仕草が見えにくく、細かいニュアンスが伝わりにくいことがあります。。 - 集中力の低下
画面越しのやり取りは疲れやすく、特に長時間だと集中が途切れやすくなります。 - 技術的なトラブルのリスク
接続が不安定な場合、音声や映像が途切れることがあり、スムーズな進行が難しくなります。
以上を踏まえて、教職員は学生が適切なマナーと効果的なやり取りを実践できるよう支援することが重要です。
3. 学生に伝えたいオンラインミーティングの作法
オンラインミーティングには、対面の会話とは異なる特有のマナーが必要です。以下は、学生が覚えておくべき基本的な作法とその理由です。

事前準備の重要性
オンラインミーティングでは、音声や画面共有機能が正しく動作するか確認するなど、事前準備が大切です。
開始前に5分程度の準備を行うことで、技術的なトラブルを防ぎ、スムーズに会議に参加できます。
教職員は、事前にテストする方法や、適切なオンライン環境を確保するよう指導することが求められます
挨拶とリアクション
対面の会話と同様に、オンラインでも挨拶やリアクションが重要です。
画面越しでのコミュニケーションでは表情が伝わりにくい場合があるため、
積極的に頷く
リアクションボタン(👍や👏など)を活用する
などのコミュニケーションを促進することで、参加者が互いの存在を感じやすくなります。
要点を意識した発言
オンライン環境では、多人数での同時会話が難しいため、要点を意識した発言が求められます。
発言する前に考えをまとめ、短く簡潔に伝えることを学生に教え、相手の理解を助けましょう。
また、教職員側でも発言の順序を決めたり、挙手の機能を活用したりすることで、スムーズな進行が可能です。
4.オンラインミーティングが特に苦手な学生への対応
一部の学生は、カメラの前で話すことに不安を感じたり、デジタル環境に慣れていなかったりする場合があります。
そのような学生に対して教職員ができる対応策をいくつか紹介します。
- カメラオフの許可
-
必ずしもカメラをオンにする必要がないことを伝えることで、心理的な負担を軽減します。
顔を出さないことでリラックスして話しやすくなり、会話に集中できる環境が整います。
- “発言時にはカメラをオンにする”など、必要なルールがある場合は、実施前に通知をして確認をとっておくと良いでしょう
- チャット機能の活用
-
直接話すことが苦手な学生に対しては、チャット機能を利用するよう提案します。
チャットで質問や意見を送信できると、発言のハードルが低くなり、学生が積極的に参加しやすくなります。
- チャット機能は全体の進行を妨げすに質問がしやすいので、チャット機能があることで助かる学生は多いようです
- 学生に提供したい情報等を、URLで提示したり、具体的に添付資料で渡せるのも有用な点です
- フォローアップの提供
-
オンラインミーティング後、教職員がメールやチャットでミーティングの要点を簡潔にまとめ、質問への回答や次のステップを確認する場を設けます。
SlackやTeamsのチャット機能を利用して、重要な項目を整理することで学生が内容を振り返りやすくなります。
- 締切日や実施日などのシンプルな情報は、オンライン中にSlack等のチャットツールやカレンダーツールに入力させるのが効果的で、入力漏れを防げます
【教職員と学生のオンラインミーティングの様子】
ある学生が「研究の進め方がわからない」と相談した際、
教職員はオンラインミーティングを設定しました。
事前に学生にチャットで質問を送らせ、
オンライン上でディスカッションを進めたことで、学生は発言しやすくなりました。
また、画面共有を使って参考資料を見せながら指導したため、
学生は具体的な進行方法を理解することができました。
5. まとめ:
オンラインミーティングは、場所に縛られない自由な学習環境を提供しますが、対面と異なる作法とスキルが求められます。
教職員は、学生に適切なマナーやスキルを教え、苦手な学生への配慮を行うことで、円滑なオンラインコミュニケーションを促進できます。
オンラインミーティングは、学生が自由に学び、教職員と効果的に交流できる場を提供します。そのため、教職員は学生が安心して参加できる環境を整えると共に、適切なマナーとスキルを教えることで、学びの質をさらに高めることが可能です。